ゴミ屋敷問題は、その所有者だけでなく、近隣住民にも多大な影響を及ぼします。しかし、単に家がゴミで溢れているだけで、すぐに「差し押さえ」が行われるわけではありません。では、どのようなプロセスを経て、ゴミ屋敷が差し押さえの対象となるのでしょうか。差し押さえとは、債務者が金銭債務を履行しない場合に、債権者が裁判所を通じて債務者の財産を強制的に処分し、その処分益から債務の弁済を受けるための法的な手続きです。このため、ゴミ屋敷が差し押さえに至るには、まず所有者に何らかの「債務」が存在し、それが「履行されない」という状況が必要になります。最も一般的なシナリオは、固定資産税や都市計画税などの「税金」の滞納です。不動産を所有している限り、毎年これらの税金が課されますが、経済的な困窮や管理能力の低下などにより、所有者がこれらの税金を長期間滞納してしまうことがあります。自治体は、まず督促状を送付し、それでも支払いがなければ催告書を送るなどして納税を促します。しかし、それでも支払いがなされない場合、最終的には滞納処分として、その不動産(ゴミ屋敷)を差し押さえることになります。差し押さえられた不動産は、公売にかけられ、その売却益が滞納された税金の支払いに充てられます。次に、住宅ローンやその他の「借入金」の返済滞納が挙げられます。自宅を担保に入れている住宅ローンの場合、数ヶ月間返済が滞ると、金融機関から督促状が届き、一括返済を求める内容証明郵便が送付されることがあります。それでも返済がなければ、金融機関は裁判所に抵当権実行の申し立てを行い、ゴミ屋敷となっている自宅を差し押さえ、競売にかけることになります。競売で売却された代金は、金融機関への返済に充てられます。ゴミ屋敷の状態が競売価格に影響を与えることはあっても、差し押さえのプロセス自体は進行します。また、ゴミ屋敷が原因で近隣住民との間でトラブルになり、それが訴訟に発展し、損害賠償命令が下されるケースもあります。
ゴミ屋敷が差し押さえに至るまでのプロセス